CSと賭博

お久しぶりです。


今回はDMにまつわる賭博をテーマに書こうかと。

と言っても、いわゆるチャプなんかの話をするつもりはありません。
今回は、CS運営に付き纏う賭博場開帳図利のリスクの話をしようと思います。

賭博場開帳図利とは

刑法186条2項に規定されている罪で、

賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。

という条文になっています。
これが成立するには当然、その場で行われている行為に賭博罪が成立する必要があります。

賭博罪は刑法185条に規定されていて、

賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

という条文です。

刑法185条の要件(その罪が成立するのに必要な条件)は、

①偶然により勝敗が決すること
②それによって財産上の財物・財産が争われること
③参加者に得喪がもたらされること

とされています。また、「一時の娯楽に供するもの」を争う場合は違法性はないと規定されています。

CSと賭博場開帳図利

この3つが、CSに参加するプレイヤーに当てはまるか見てみましょう。

①は一見、実力要素のあるTCGには当てはまらない、と思われるかもしれませんが、公開情報のみで争われる将棋や囲碁も「打ち手の体調などによって、偶然性の要素は否定出来ない」などとして、対象に含まれます。
デッキ・カード選択や引きなどの非公開要素が含まれるTCGは、言わずもがなでしょう。

②は、プライズが賞金、または金銭になりうるものに適用する、ということです。DCGの大会で、他のプレイヤーに譲渡することの出来ないカードパックを配る、などといった場合は、この条件に当てはまりません。
CSでよく賞品にされるゲーム機などは②の条件に当てはまってしまいます。

③は、一部の参加者が利益を得て、他方に損を被る参加者がいる状況、ということです。
参加費が無料、あるいは参加費を会場代等の運営費用に充てていて、利害関係のない他人から賞品を出している場合は当てはまりません。
前者はSVのRAGE、後者は将棋のアマチュア竜王戦などが利用している手段です。
しかし、ほとんどのCSでは賞品代を予算に含めているはずなので、これも当てはまってしまいます。
CSプロモに関しては、この条件に当てはまらないので、問題はCS独自に提供している賞品、ということになりますね。

最後に、「一時の娯楽に供するもの」とありますが、これは飲食物など、その場で消費出来るもの、または1万円以下の日用品等を対象にしています。
PS4ニンテンドースイッチなどを優勝賞品にしているCSは、これを盾にすることも難しいかと思います。

総じて、現状のCSの形態は、賭博場開帳図利が成立してしまう危険が大きいと言えます。

CSはどうすればいいのか

このリスクを回避するにあたって、
・①はそもそもデュエルマスターズができない
・②なしでは中々プレイヤーを集められない

ため、③または、賞品を「一時の娯楽に供するもの」に当てはめるのが妥当だと考えます。
現行の「参加費を1500円~2000円程度徴収し、景品を豪華にする」傾向を見直して、
参加費を安くしたり、参加賞に振ったりして、優勝賞品を新弾2box等に縮小するのがベターでしょうか。

さらに、店舗内で開催される、店舗主導のCSに関しては、景品表示法風俗営業法などの制約も受けうるかと思います。

[CEDEC 2017]日本で高額賞金のe-Sports大会を開催するには? 刑法賭博罪・景表法・風営法による規制が解説されたセッションをレポート - 4Gamer.net

こちらの記事は、e-sportsの賞金制大会にまつわる法的リスクに関するセッションのレポートですが、店舗型CSも全く無関係ではないので是非目を通していただきたいと思います。

あとがき

別に「今のCSは黒に近いグレーだからクソ!」みたいなことを言いたくて、この文章を書いてる訳ではありません。

僕自身、川崎CSと静岡CSが無かったら今もこうしてDM界隈に居るってことはないと思うし、(最近全然やってないけど。藤枝TCCとGP5thはエントリーしてるから許して)
CSの文化自体が無くなってしまったら、とても寂しい気持ちになるひとりです。

これを読んだ主催者さん達が、法的なリスクというものを頭の隅にでも置いてくれたなら、それ以上のことはありません。

それでは、また今度。